グルタミンやシトルリンがタンパク質100%で計算される理由とは?
グルタミンはアミノ酸単体であるにもかかわらず、「タンパク質100%」という表記が可能な理由について説明します。
まず、タンパク質とは、複数のアミノ酸がペプチド結合によって鎖状につながった高分子化合物を指します。一方、アミノ酸単体は通常「遊離アミノ酸」と呼ばれ、タンパク質とは区別されます。ここで疑問となるのが、「グルタミンはアミノ酸単体なのに、なぜタンパク質100%と表示可能なのか?」という点です。
実際のところ、市販されているサプリメントなどで「グルタミン100%」と表示されている製品がありますが、この表示は「タンパク質100%」ではなく、「グルタミン(成分)100%」または「純度100%」という意味で使われています。つまり、「タンパク質として100%」ではなく、「グルタミンという単一の成分のみで構成されている」という意味での表記なのです。
具体的に言うと、グルタミンは確かにタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一つですが、これが単独で存在する場合は「遊離アミノ酸」として扱われます。遊離アミノ酸はタンパク質とは異なり、食品成分表示上では通常「タンパク質」としてカウントされません。
しかし、一部の製品では「グルタミン」を「たんぱく質換算」として表示するケースがあります。これは食品表示法において、「窒素含有量」をもとにタンパク質量を計算するためです。食品分析法(ケルダール法など)では、窒素含有量を測定し、それに一定の係数(一般的には6.25)を掛けてタンパク質量を算出します。この方法では、実際にはタンパク質でない窒素化合物(グルタミンなどの遊離アミノ酸やペプチド)も窒素を含んでいるため、「見かけ上」のタンパク質量として計算されることがあります。
つまり、市販されている一部のグルタミンサプリメントが「タンパク質」として表示されていることがある場合、それは以下の理由によります:
食品表示法上、栄養成分表示における「たんぱく質」は、「窒素含有量×6.25」という計算式で求められる。
グルタミンは窒素を含む化合物(遊離アミノ酸)であるため、この方法で計算すると形式的には「たんぱく質」としてカウントされる場合がある。
そのため、実際には単体のアミノ酸であっても、分析方法上の理由から栄養成分表示欄に「たんぱく質」として含まれることがある。
-
WPC プレーン 3kg
通常価格 ¥6,500通常価格単価 あたり -
F&W BCAA 青りんご風味 1kg
通常価格 ¥3,960通常価格単価 あたり -
F&W EAA レモン風味 1kg
通常価格 ¥5,960通常価格単価 あたり
つまり、本来厳密な意味における「タンパク質」ではないにもかかわらず、食品表示や栄養成分表示上の分析方法(窒素換算法)の関係から、グルタミンなどの遊離アミノ酸でも「たんぱく質」として数値化されるケースが存在するためです。
まとめとして整理すると、
グルタミン自体は遊離アミノ酸(単体)なので、本来はタンパク質ではない。
しかし食品分析上、窒素含有量から推定した数値を用いるため、一部製品では栄養成分欄に「たんぱく質」として表記される場合がある。
「グルタミン100%」という表記はあくまで純度を示すものであり、本来の生化学的分類としてのタンパク質100%とは異なる概念である。
以上が、グルタミンという単体アミノ酸が一部製品で「タンパク質100%」と誤解されやすい表記になる理由です。