2026年、流行するスポーツニュートリション商材とは?
日本のスポーツニュートリション市場は、プロアスリートからライトユーザー、高齢者までを包含する「拡大フェーズ」にあります。従来のプロテインパウダー中心の市場から、目的別・シーン別に細分化された高機能商材へと急速にシフトしています。
① 植物性プロテインとクリーンラベル志向
ここ数年で顕著なのが、ホエイ一辺倒から植物性プロテインへのシフトです。ソイプロテインは定番ですが、最近はエンドウ豆(ピー)、玄米、ヘンプなどを単独またはブレンドした商品が大手・D2C問わず増えています。

「乳糖が気になる」「お腹が張る」といった声から、乳由来を避ける層が拡大。
人工甘味料・合成着色料・合成香料不使用を訴求した“クリーンラベル”処方が増加。
ドラッグストアや量販店向けのマス商品は依然としてホエイ主体ですが、EC専売ブランドや専門店チャネルでは、国産大豆・国産玄米など「国産原料」「農薬不使用」などストーリー性ある原料を打ち出した高単価帯が伸長しています。
② クレアチン・HMB・EAAの“組み合わせ処方”
筋力アップ・ボディメイク領域では、クレアチン単品よりも「HMB+クレアチン」「EAA+クレアチン」のような複合処方が主流になりつつあります。
タブレット・顆粒スティック形態で「1日○粒でHMB 3,000mg」「クレアチン 3,000〜5,000mg」など、分かりやすい数字訴求。
プロテインと別に飲む手間を嫌う層向けに、「プロテイン+HMB」「プロテイン+EAA+クレアチン」といったオールインワン型も増加。
フィットネス系インフルエンサーの発信と相まって、「プロテインだけでは不十分」「HMB・クレアチンまで入れて初めて“本気のボディメイク”」という文脈が定着しつつあり、20〜40代男性を中心に継続購入が見られます。
③ ワークアウトドリンクと電解質サプリの定番化
“ジムに行くとみんな何か飲んでいる”状況を支えているのが、ワークアウトドリンクと電解質サプリです。
BCAA/EAAパウダーを、シェイカーに入れてトレーニング中にちびちび飲むスタイルが一般化。
ナトリウム・カリウム・マグネシウムをバランスよく配合した電解質パウダーやタブレットが、夏場だけでなく通年の定番に。
近年は、「糖質オフ・ゼロカロリー」を打ち出したアミノ酸入り機能性飲料もコンビニで手に取りやすくなり、ジムに通わない層でも「日常的な水分+ミネラル補給」として取り入れるケースが増えています。

④ 機能性表示食品・コンビニ発の“ライト層向け”商材
日本独自の特徴として、機能性表示食品制度を活用したスポーツニュートリション商材が増加しています。
「疲労感軽減」「一時的なストレス軽減」「認知機能サポート」「脂肪の代謝促進」など、ヘルスクレームを明確に表示したドリンク・ゼリー・スナックバー。
コンビニのプライベートブランドが、プロテイン飲料・ヨーグルト・バーにたんぱく質量と機能性関与成分量を大きく表示。
これにより、ジムや部活動のためだけでなく、「仕事後の疲労感対策」「在宅勤務中の間食」「受験勉強・ゲーム時の集中維持」といった“日常生活の質(QOL)向上”文脈でスポーツニュートリションが消費されるようになっています。
⑤ アダプトゲン・ノートロピクスの“ソフトローンチ期”
北米・欧州ほど爆発的ではないものの、日本でもアダプトゲンやノートロピクス系素材を取り入れた商材が少しずつ増えています。
アシュワガンダ、ロディオラ、ギャバ、テアニンなどを配合した「リラックス系」「睡眠サポート系」サプリ。
カフェイン+テアニン、B群、ロディオラなどを組み合わせた「集中サポート」「パフォーマンス系」ドリンクやサプリ。
医薬品・医薬部外品との線引きや表現規制を意識しながら、あくまで“ストレスケア”“やすみたい人向け”“頑張りたいシーンに”といったソフトなコピーで展開されているのが日本らしい特徴です。
⑥ 高齢者・女性向けボディメイクとサルコペニア対策
「スポーツ=若年男性」というイメージはすでに過去のものになりつつあります。
フレイル・サルコペニア予防を意識した高齢者向けの高たんぱく飲料・ゼリー・スープ。
女性向けには、“しなやかな筋肉づくり”“冷え・だるさ対策”“ボディラインケア”を訴求したたんぱく質+コラーゲン+鉄・マグネシウムなどの複合処方。
ドラッグストアでは、“プロテイン=マッチョ向け”の棚とは別に、「たんぱく習慣」「フレイル対策」といったソフトな表現の売り場を設けるケースも増え、スポーツニュートリションが介護予防・美容領域とシームレスにつながり始めています。
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⑦ 今後の開発・マーケティングのポイント
国内市場のトレンドを踏まえると、今後の製品企画・マーケティングでは次の点が重要になってきます。
目的軸の明確化:筋力アップ、持久力、回復、メンタル、ダイエット、フレイル対策など、“誰の・どんなシーンのための商材か”を明確にする。
クリーンラベルと飲みやすさ:原材料のシンプルさ、人工甘味料や香料の扱い、溶けやすさ・後味の良さは、日本市場では特に評価されやすい。
チャネル別設計:ドラッグストア、コンビニ、EC、専門店で求められる価格帯・世界観・情報量は大きく異なるため、同じ処方でも訴求とパッケージを変える。
ライト層の取り込み:ハードなトレーニング前提ではなく、「週1〜2回の運動」「仕事終わりの疲労対策」「勉強・ゲームのお供」などの文脈で、ハードルを下げた提案を行う。