今更聞けない?アミノ酸スコアとその計算方法の紹介

今更聞けない?アミノ酸スコアとその計算方法の紹介

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アミノ酸スコア(Amino Acid Score)は、食品中のタンパク質の栄養価を評価するための指標です。これは、その食品に含まれる必須アミノ酸の量を基準食品(通常、卵や牛乳のタンパク質などの高品質タンパク質)と比較して評価します。具体的には、各必須アミノ酸の含有量を基準食品中の含有量と比較し、その比率を計算します。

アミノ酸スコアの計算方法

必須アミノ酸の含有量を測定:

食品に含まれる各必須アミノ酸の含有量(mg/gタンパク質)を測定します。

基準アミノ酸パターンとの比較: 測定した各必須アミノ酸の含有量を基準アミノ酸パターン(通常、FAO/WHOが定めるもの)と比較します。

比率を計算:各必須アミノ酸について、以下の比率を計算します。



最小値を選択:計算した比率の中で最も低い値をアミノ酸スコアとします。

具体的な計算の例を以下に示します。

例:
仮に、ある食品の必須アミノ酸の含有量(mg/gタンパク質)が次の通りで、基準アミノ酸パターンが以下の通りであるとします。


各アミノ酸の比率を計算します。

リシンの比率:50/70=0.71

メチオニンの比率:30/30=1.0

トリプトファンの比率:10/12=0.83

この中で最小の値は0.71ですので、この食品のアミノ酸スコアは71となります。

このようにして、食品のアミノ酸スコアを計算し、そのタンパク質の栄養価を評価することができます。アミノ酸スコアが高いほど、その食品のタンパク質は栄養価が高いとされています。

もっと詳しく知りたい方は、以下をご参照ください

1. 古典的なアミノ酸スコア
これは先ほど説明した方法で、食品中の必須アミノ酸の含有量を基準アミノ酸パターンと比較し、最も低い比率を取る方法です。

2. PDCAAS(Protein Digestibility-Corrected Amino Acid Score)
PDCAASは、アミノ酸スコアに消化性を加味した評価方法です。具体的には、以下の手順で計算します。

必須アミノ酸スコアの計算:古典的なアミノ酸スコアを計算します。
タンパク質の消化率を考慮:食品のタンパク質の消化率を調査し、得られたアミノ酸スコアにその消化率を掛けます。
例えば、消化率が90%で、アミノ酸スコアが70の場合、
PDCAAS=70×0.90=63
PDCAASは最大値を100とするため、100を超える場合は100とします。

3. DIAAS(Digestible Indispensable Amino Acid Score)
DIAASは、より新しい評価方法で、PDCAASよりも精度が高いとされています。DIAASでは、タンパク質の消化率を小腸の各部位ごとに計算します。具体的には以下の手順で計算します。

必須アミノ酸スコアの計算:古典的なアミノ酸スコアを計算します。
各必須アミノ酸の消化率を考慮:各必須アミノ酸の消化率を小腸の各部位ごとに計算し、その消化率を用いて補正します。


DIAASは、特定の必須アミノ酸に対して行われるため、全体的なスコアではなく、各アミノ酸ごとのスコアとなります。これにより、特定のアミノ酸が不足している場合の影響をより正確に評価できます。

4. アミノ酸スコア改良法
これは、古典的なアミノ酸スコアの改良版で、特定の必須アミノ酸の比率が100を超えた場合、そのアミノ酸の過剰供給を他のアミノ酸の不足を補うために考慮する方法です。

これらの方法はそれぞれ、食品中のタンパク質の品質評価において異なる側面を強調しています。どの方法を使用するかは、評価の目的や求める精度によって選ばれます。

弊社のWPC及びWPIについては、古典的アミノ酸スコア計算法で上限の100に設定されておりますので、バランスの良いアミノ酸配合率と言えます。

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