健康食品などによくある「抗酸化物質」を筋トレに取り入れることで得られるメリットとは?
筋トレ(レジスタンストレーニング)に抗酸化物質(健康食品やサプリメント等)を取り入れることには、いくつかのメリットと注意点が存在します。最新の研究知見をもとに、科学的な観点から詳しく解説します。
筋トレによる酸化ストレスと筋損傷
筋トレをはじめとする強度の高い運動では、筋肉での酸素消費量が安静時の数十倍に増加し、その結果として活性酸素種(ROS)が大量に産生されます。
活性酸素種は細胞膜やタンパク質、DNAなどを酸化し、筋肉の損傷や炎症、疲労の遅延回復などの原因となります。
体内にはもともと抗酸化酵素やビタミンなどの防御システムが備わっていますが、激しい運動ではこの防御能を上回る酸化ストレスが生じることがあります。
抗酸化物質の摂取による主なメリット
筋損傷や酸化ストレスの抑制
システマティックレビューによると、タウリンやブルーベリー、ザクロ果汁、コエンザイムQ10、オートミール、メラトニンなどの抗酸化物質は、筋トレ後の筋損傷や酸化ストレスマーカーの上昇を抑制する可能性が示されています。
筋疲労や回復遅延の軽減
抗酸化物質の摂取により、筋疲労の軽減や回復期間の短縮といった効果が期待でき、トレーニングの質や継続性の向上に寄与する可能性があります。
筋トレロス(効果減弱)の防止
酸化ストレスが高まると筋肉が“サビつき”、十分なトレーニング効果が得られない「筋トレロス」状態に陥ることがあります。抗酸化物質の摂取は、こうした状態の予防に有効と考えられています。
代表的な抗酸化物質とその効果
抗酸化物質 | 報告されている効果例 |
---|---|
ビタミンC・E | 酸化ストレスと筋損傷マーカーの上昇抑制 |
タウリン | 筋損傷・酸化ストレスの軽減、パフォーマンス向上 |
ブルーベリー | 筋力回復促進、抗酸化反応の活性化 |
ザクロ果汁 | 酸化ストレス回復の促進 |
コエンザイムQ10 | 酸化反応の抑制 |
ルチン | 過剰な活性酸素の除去、筋トレ効果の維持 |
筋肥大・適応への影響
活性酸素種は単なる有害物質ではなく、筋肥大や筋力向上などトレーニング適応のシグナルとしても機能します。一部の研究では、抗酸化物質の大量摂取が筋タンパク質合成のシグナル(例:p70s6kのリン酸化)を抑制し、筋肥大の効果を減弱させる可能性が示唆されています。
摂取量・タイミングの重要性
抗酸化物質の効果は「摂取量」と「体内の酸化ストレス状態」とのバランスに依存します。過剰摂取は筋肉の適応を妨げるリスクがある一方、適度な摂取は筋損傷や疲労回復に有用となる場合があります。
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高齢者や酸化ストレスが高い人への有用性
高齢者や酸化ストレスが高い人では、抗酸化物質の摂取が筋トレ効果の維持や健康増進により有益であるという報告もあります。
総合的なまとめ
抗酸化物質の摂取は、筋トレ後の筋損傷や酸化ストレスを抑制し、筋疲労の軽減や回復促進に寄与する可能性があります。ただし、活性酸素種は筋肉の適応にも関与するため、過剰な抗酸化物質摂取は筋肥大やトレーニング効果を減弱させるリスクも示唆されています。したがって、抗酸化物質の摂取は「酸化ストレスの程度」「年齢」「トレーニングの目的」などを考慮し、適切な量とタイミングで活用することが重要です。
結論として、抗酸化物質の摂取は筋トレの回復や損傷抑制に一定の効果が期待できますが、筋肉の成長や適応を最大化したい場合には摂取量やタイミングに注意が必要です。特に高齢者や酸化ストレスが高い人には有益な場合が多いですが、若年・健常者が大量に摂取する場合は慎重な判断が求められます。