湿度が下がり始めたら切り替えどき。秋冬のスキンケア移行ガイド

湿度が下がり始めたら切り替えどき。秋冬のスキンケア移行ガイド

湿度が下がり始めたら切り替えどき。秋冬のスキンケア移行ガイド

朝晩の空気がひんやりしてきたら、肌も季節の変わり目を迎えています。夏と同じお手入れのままだと、気づかないうちに乾燥が進んでいることがあります。それがつっぱり感や粉ふき、化粧ノリの悪さとなって表れることも少なくありません。

この記事では、まず湿度や気温の変化が肌にどう影響するのかを押さえます。そのうえで、夏仕様のスキンケアを秋冬仕様へ無理なく切り替えるポイントを、ステップごとに紹介します。

空気が乾くと、肌で何が起きている?
肌のうるおいを守る「角層」

肌のいちばん外側にある角層は、厚さ0.02mmほどのごく薄い層です。この薄い層が、外からの刺激をやわらげ、肌の内側の水分を逃がさないように働いています。

角層のうるおいは、主に次の3つの要素によって保たれています。

皮脂膜:肌の表面を薄く覆う油分の膜。水分の蒸発を防ぎます。
天然保湿因子(NMF):角層の細胞の中で、水分を抱え込む成分です。
細胞間脂質:セラミドなどからなり、角層の細胞どうしのすき間を埋めて水分をはさみ込みます。


角層をレンガ塀にたとえると、角層の細胞がレンガ、細胞間脂質がレンガをつなぐセメントです。表面の皮脂膜は、塀の表面に塗ったコーティングにあたります。

「湿度の低下」と「気温の低下」がダブルで影響する

空気が乾燥すると、肌の水分は空気中へ逃げやすくなります。東京の場合、平年の湿度は夏に70%台で推移し、秋から下がり始めて、真冬には50%前後になります。さらに暖房の効いた室内では、湿度が30%台まで下がることも珍しくありません。

気温が下がると、皮脂の分泌も少なくなる傾向があります。そのため、肌表面を覆う皮脂膜も薄くなりがちです。

つまり秋冬は、「水分が逃げやすい環境」と「水分を逃がさないための油分が減った状態」が同時にやってくる季節です。夏と同じお手入れでは足りなくなるのは、このためです。

切り替えのサイン セルフチェック

次のような変化に心当たりはありませんか。ひとつでも当てはまれば、お手入れを見直すタイミングです。

洗顔後、何もつけずにいるとすぐに肌がつっぱる
夕方になると、ほおや口元がカサつく
ファンデーションが粉っぽく浮く、ノリが悪い
いつもの化粧水がしみる、ピリピリする
手指のささくれや、唇の皮むけが気になり始めた
部屋の湿度計の数字が、夏より明らかに下がってきた

切り替えの時期は、住んでいる地域や住環境によって異なります。カレンダーの日付よりも、肌の感覚や湿度計の数字を目安にするのがおすすめです。

ステップ別 秋冬仕様への切り替え方
STEP 1 洗う:「落としすぎない」洗顔へ

夏は汗や皮脂をすっきり落とすことが大切でした。秋冬は、必要なうるおいまで洗い流さないことを意識しましょう。

さっぱり感の強い洗顔料や、スクラブ・拭き取りタイプを使っていた場合は、使用頻度を見直します。
洗顔料はしっかり泡立て、指が肌に直接触れないよう、泡で包むように洗います。
すすぎは、手で触れて少しぬるいと感じる程度のぬるま湯(32〜34℃くらいが目安)で行います。熱いお湯は、肌に必要な皮脂まで落としやすくなります。
タオルでこすらず、やさしく押さえるように水気をふき取ります。

皮脂の出やすいTゾーンと、乾燥しやすいほおや目元とで、洗い方に強弱をつけるのもひとつの方法です。

STEP 2 うるおす:水分をたっぷり与える

化粧水を、夏向けのさっぱりタイプから、しっとりタイプに切り替えることを検討しましょう。ヒアルロン酸やグリセリン、セラミドなどの保湿成分を配合したものも選択肢です。
手のひらで顔全体を包み込むように、やさしく押さえてなじませます。強くたたくパッティングは、摩擦や刺激の原因になります。
乾燥が特に気になる場合は、保湿を目的とした美容液をプラスするのもよいでしょう。

STEP 3 守る:油分で「ふた」をする

秋冬のスキンケアで最も差がつくのが、このステップです。

夏は省きがちだった乳液やクリームを、お手入れに戻しましょう。化粧水で水分を与えたあとに油分を重ねると、うるおいを逃がしにくくなります。
目元や口元など乾燥しやすい部分は、少量を重ねづけします。
皮脂の多いTゾーンは薄めにするなど、部位によって量を調整すると、ベタつきを抑えられます。
乾燥が特に気になる部分には、ワセリンなどの油性の保護剤を薄く重ねる方法もあります。

STEP 4 防ぐ:紫外線対策は秋冬も続ける

紫外線は夏ほど強くはありませんが、秋冬もゼロにはなりません。日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐために、日常の紫外線対策は一年を通して続けましょう。

普段の生活なら、日常使い向けの日焼け止めや、UVカット機能のある化粧下地で十分です。
乾燥が気になる時期は、保湿感のあるテクスチャーのものを選ぶと使いやすくなります。
スキーなどで雪山に出かけるときは要注意です。雪面は紫外線を強く反射するため、しっかりとした対策が必要です。

夏と秋冬のお手入れ比較

夏のお手入れ 秋冬のお手入れ
洗顔 汗や皮脂をすっきり落とす 落としすぎず、ぬるま湯でやさしく
化粧水 さっぱりタイプ しっとりタイプ、保湿成分配合のもの
乳液・クリーム 薄めに、または省略 必ず重ねて、うるおいを守る
紫外線対策 高めのSPF・PAを、こまめに塗り直す 日常使いの対策を継続
部分ケア テカリ・皮脂対策 目元・口元・手・唇の重点保湿

季節の変わり目は、肌が普段より敏感に傾きやすい時期です。スキンケアを一度にすべて入れ替えるのは避けましょう。

新しいアイテムは1品ずつ取り入れる:数日から1週間ほど様子を見てから、次のアイテムを試しましょう。複数を同時に変えると、肌に合わなかったときに原因がわからなくなります。
使う前に試す:初めて使う化粧品は、腕の内側など目立たない部分で試してから顔に使うと安心です。
「与えすぎ」にも注意:保湿を急に増やしてベタつきや吹き出物が気になる場合は、量や重ねる回数を調整しましょう。

スキンケアと一緒に見直したい、毎日の生活環境
入浴:お湯の温度と洗い方

お湯は38〜40℃程度のぬるめにし、長湯しすぎないようにします。
ナイロンタオルなどで体をゴシゴシこすらず、泡でやさしく洗います。
入浴後の肌は水分が蒸発しやすい状態です。体をふいたら、なるべく早めに顔と体を保湿しましょう。

室内の湿度管理

湿度計を置いて、部屋の乾燥を「見える化」しましょう。
加湿器などを使い、湿度40〜60%程度を目安に保ちます。加湿しすぎると結露やカビの原因になるので注意が必要です。
加湿器がない場合は、洗濯物の部屋干しや、濡れタオルを掛けておくことでも湿度を補えます。
エアコンの温風が、顔や体に直接当たらないように風向きを調整しましょう。

衣類やマスクによる摩擦

ウールなどチクチクする素材が直接肌に触れる場合は、綿など肌あたりのやわらかいインナーを一枚挟むと負担を減らせます。
マフラーやマスクがこすれる部分は、刺激を受けやすくなります。こすらないよう意識し、保湿も丁寧に行いましょう。

規則正しい生活リズムや十分な睡眠、バランスのよい食事も、健やかな肌を保つための大切な土台です。

顔だけじゃない! 見落としがちな乾燥ポイント

手・指先 手洗いやアルコール消毒の機会が多い手は、特に乾燥しやすい部位です。洗ったあとは水気をしっかりふき取り、ハンドクリームをこまめに塗りましょう。就寝前にたっぷり塗って、綿の手袋をして休むのもおすすめです。

唇 唇には皮脂を分泌する腺がほとんどなく、とても乾燥しやすい部位です。なめる、皮をむくといったクセは乾燥を悪化させるので避けましょう。リップクリームで保護することを習慣にしてください。

すね・ひざ下 すねも皮脂の分泌が少なく、秋冬に粉をふいたり、かゆみが出たりしやすい部位です。入浴後には、顔と同じように保湿を忘れずに。

かかと・ひじ 角層が厚く硬くなりやすい部位です。ひび割れが起きてから対処するのではなく、早い時期からクリームなどで保湿しておきましょう。

こんなときは、皮膚科の受診を

乾燥がひどくなると、かゆみを伴う湿疹に進むことがあります。次のような症状がある場合は、セルフケアで様子を見続けず、皮膚科を受診しましょう。

かゆみが強く、眠れない、かき壊してしまう
赤み、ブツブツ、じゅくじゅくした湿疹がある
ひび割れから出血している、痛みがある
保湿を続けても改善しない、または悪化している

まとめ:肌の衣替えは「早め・少しずつ・やさしく」

秋冬の肌トラブルの多くは、乾燥がじわじわ進んだ結果として表れます。空気が乾き始めたと感じたら、それが切り替えのサインです。

洗う:落としすぎない、やさしい洗顔へ
うるおす:しっとりタイプで水分をたっぷりと
守る:乳液やクリームで油分のふたを
防ぐ:紫外線対策は一年中

この4つのステップを、肌の様子を見ながら少しずつ取り入れてみてください。寒さが本格化する前に準備しておけば、冬を健やかな肌で過ごしやすくなります。
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