BCAAには高齢者の認知機能を上げる可能性があるってホント?
BCAA(分岐鎖アミノ酸:バリン、ロイシン、イソロイシン)は、従来から筋肉の損傷や疲労の軽減を目的にアスリートや運動習慣のある人々に広く利用されていますが、近年では高齢者の認知機能との関連も注目されています。以下、専門的な観点から最新の知見をまとめます。
筋肉疲労・損傷に対するBCAAの効果
BCAAは運動による筋損傷(EIMD)や筋肉痛の軽減に有効であることが、システマティックレビューやメタ解析で示されています。特に高用量(5g/日以上)かつ連日(7日以上)の摂取がより効果的で、クレアチンキナーゼ(CK)や遅発性筋肉痛(DOMS)の抑制に寄与します。
BCAAは筋損傷の修復過程において、筋衛星細胞(SCs)の増殖・分化を促進し、マクロファージの極性転換(M1/M2)を介して炎症の制御にも関与します。
高齢者の認知機能への影響
1. 疫学・遺伝学的知見
大規模な遺伝子データベースを用いた研究では、BCAAの血中濃度とアルツハイマー病(AD)リスクの直接的な因果関係は認められませんでしたが、逆解析によりAD患者ではBCAA濃度が有意に低下していることが示されました。これは、ADに伴う消化管機能の低下や栄養状態の悪化、腸内細菌叢の変化などがBCAAの吸収や代謝に影響している可能性を示唆しています。
2. 臨床介入研究
回復期リハビリテーション病棟に入院する高齢者を対象にした研究では、BCAA配合飲料の摂取により、運動機能だけでなく認知機能(例:MMSEスコアなど)の有意な改善が認められました。特に、リハビリ後30分以内の摂取が効果的とされています。
脳卒中回復期の高齢者を対象とした別の研究でも、BCAA強化栄養補助食品の12週間摂取によって歩行速度の改善が認められ、筋肉量やADL(日常生活動作)にも好影響が示唆されています。
3. 生理学的メカニズム
BCAAは、神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、グルタミン酸など)の前駆体となるため、脳内の神経活動や認知機能に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
BCAAや必須アミノ酸(EAA)の摂取は、脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度を増加させることが報告されており、BDNFは神経新生やシナプス可塑性、認知機能維持に重要な役割を果たします。
中高年を対象とした臨床試験では、12週間のEAA(主にBCAAを含む)摂取により注意力や認知的柔軟性の改善が認められています。
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まとめ
BCAAは筋肉の損傷や疲労の軽減に加え、高齢者のリハビリや認知機能維持にも一定の有用性が示唆されています。
認知機能への影響は、BCAAが神経伝達物質の前駆体となることや、BDNFの増加を介した脳機能の活性化が関与していると考えられます。
一方で、BCAAの血中濃度低下が認知症の進行や栄養不良の指標となる可能性もあり、今後さらなる研究が必要です。
実用的なポイント:
高齢者のリハビリや認知機能低下予防を目的としたBCAA摂取は、運動や適切な栄養管理と組み合わせて行うことが推奨されます。
摂取量やタイミング(運動後30分以内など)が効果に影響するため、個々の健康状態や目的に応じた活用が重要です。