無理なダイエットとリバウンドのメカニズムについて解説！

2024年6月27日

無理なダイエットとリバウンドのメカニズムについて解説！

無理なダイエットとそれに伴うリバウンドのメカニズムについて、科学的な知見を交えて詳しく説明いたします。

無理なダイエットの定義
無理なダイエットとは、一般的に以下のような特徴を持つダイエット方法を指します。

・極端な食事制限や低カロリー食
・栄養バランスを無視した食事
・過度な運動
・短期間での急激な減量

これらの方法は、一時的に体重を減少させることはできますが、長期的には様々な問題を引き起こす可能性があります。

リバウンドのメカニズム
リバウンドは、ダイエット後に体重が元に戻る、あるいは元の体重以上に増加する現象です。このメカニズムには、主に以下の要因が関与しています。

a) セットポイント理論：
人間の体には「セットポイント」と呼ばれる体重の設定値があるとされています。極端なダイエットによって体重が急激に減少すると、脳はこれを飢餓状態と認識し、元の体重（セットポイント）に戻そうとする防御反応が働きます。

b) 代謝の低下：
急激な食事制限は、体が省エネモードに入ることを引き起こします。基礎代謝が低下し、少ないカロリーでも体重が維持されるようになります。ダイエット後に通常の食事に戻ると、低下した代謝では消費しきれず、体重が増加しやすくなります。

c) ホルモンバランスの変化：
無理なダイエットは、食欲を調整するホルモンのバランスを崩します。特に、レプチンとグレリンというホルモンが重要な役割を果たします。
レプチン：満腹感を伝えるホルモン。ダイエットによって脂肪細胞が減少すると、レプチンの分泌も減少し、満腹感を感じにくくなります。
グレリン：空腹感を伝えるホルモン。ダイエット中はグレリンの分泌が増加し、食欲が亢進します。

d) 筋肉量の減少：
極端な食事制限は、脂肪だけでなく筋肉も減少させます。筋肉は基礎代謝を高める重要な要素であるため、筋肉量の減少は代謝の低下につながり、リバウンドのリスクを高めます。

研究結果
無理なダイエットとリバウンドの関係については、多くの研究が行われています。
アメリカの心理学専門誌『American Psychologist』に掲載された研究では、31件の長期的なダイエット実験を分析した結果、参加者の3分の2がリバウンドで当初より体重が増加したことが報告されています。

また、肥満専門誌『Obesity』に掲載された研究では、超低カロリーダイエットを行った人は、より緩やかなダイエットを行った人と比較して、リバウンド時に取り戻す脂肪量が著しく多いことが明らかになりました。

リバウンドを防ぐための健康的なダイエット方法
リバウンドを防ぎ、持続可能な減量を実現するためには、以下のような方法が推奨されます。

a) 緩やかな減量：
1週間あたり0.5-1kg程度の緩やかな減量を目指します。これにより、体がストレスを感じにくく、代謝の低下も最小限に抑えられます。

b) バランスの取れた食事：
極端な食事制限ではなく、必要な栄養素をバランスよく摂取します。特にタンパク質は筋肉量の維持に重要です。