梅雨の女性ホルモン乱れ対策 - トリプトファンで心の安定を
梅雨の季節は、多くの女性にとって心身の不調を感じやすい時期です。この時期特有の体調不良は「梅雨だる」とも呼ばれ、女性ホルモンの乱れと密接に関係しています。そこで注目したいのが、必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」です。この栄養素は、心の安定に重要な役割を果たし、梅雨時期の女性ホルモンの乱れによる不調を和らげる可能性があります。
梅雨時期に起こる女性の心身の変化
梅雨だるの正体
梅雨の時期に現れる体調不良は、単なる気分の問題ではありません。長く続く低気圧や湿度の影響、日照時間の減少などにより、心身が乱れやすくなる時季です。頭痛やめまい、倦怠感といった症状は、主に自律神経のバランスがくずれることと関係しています。
低気圧が続くと、内耳にある気圧の変化を感じるセンサーが脳に刺激を伝え、自律神経が反応します。女性ホルモンの乱れや副交感神経の過剰な働きにより、気分の落ち込みやだるさ、眠気を引き起こします。また、湿度が高いと体に余分な水分が溜まり、むくみや関節痛、胃腸の不調につながります。
女性が特に影響を受けやすい理由
男性に比べて女性の方が梅雨の不調を感じやすいのは、女性ホルモンの働きが自律神経に影響するためです。更年期の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していく渦中にあり、数年間、長い人では10年以上にわたって心身にさまざまな症状が現れます。
さらに、梅雨という季節特有のストレスがかかって、もともと弱っていた部分、ケアがおろそかになっていた部分の不調が、より際立ってくるのです。特に、季節の変わり目やストレスに敏感な女性はホルモンバランスを乱しやすく、月経不順やPMSなど女性ホルモンにまつわる不調が起こりやすくなることが考えられます。
自律神経の乱れが引き起こす具体的な症状
体の不調
梅雨時期の自律神経の乱れは、以下のような身体的症状を引き起こします:
だるい、体が重い
吐き気、肩こり
頭痛、めまい、耳鳴り
下痢、便秘、食欲不振
むくみ、寝つきが悪い
関節痛、神経痛
心の不調
精神面では以下のような症状が現れやすくなります:
やる気が出ない
集中力、注意力の低下
人に会うのが億劫になる
情緒不安定になる
午前中の気分が特にのりにくい
これらの症状は、自律神経が乱れてうまく働かなくなることで体の機能やホルモンバランスも乱れやすくなり、心身に不調が現れやすくなることが原因です。
トリプトファンとセロトニンの重要な関係
幸せホルモン「セロトニン」の役割
心の安定に重要な役割を果たすのが、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンです。セロトニンには、ノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質をコントロールして精神を安定化させる効果があります。
セロトニンは、快感、幸福感、意欲に関わる「ドーパミン」や恐怖、驚きなど精神の興奮に関わる「ノルアドレナリン」のバランスを保ち、精神を安定させる働きがあります。セロトニンが低下すると、これら2つのコントロールが不安定になりバランスを崩すことで、攻撃性が高まることや、不安やうつなどの精神症状を引き起こすといわれています。
トリプトファンの重要性
トリプトファンとは必須アミノ酸のひとつで、別名「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンの原料になる栄養素です。セロトニンは感情面や精神面、睡眠といった人間の重要な機能に関係する神経伝達物質です。
トリプトファンの大事な役目として挙げられるのが、幸せ物質と呼ばれるセロトニンを合成することです。食べ物から摂取したトリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
腸内環境との深い関係
興味深いことに、セロトニンは90%が腸でつくられており、腸内細菌がその分泌を助けています。また、摂取した大豆製品や乳製品、肉や魚などに含まれるたんぱく質を分解・合成してトリプトファンをつくるのも腸内細菌の役目です。
トリプトファンが腸の働きによって5-ヒドロキシトリプトファンという物質が作られ、これが脳内に行くことでセロトニンとして利用されます。ただ、腸内環境が良くないと5-ヒドロキシトリプトファンがきちんと合成されないので、必然的に脳内のセロトニン量も不足してしまいます。
女性ホルモンとセロトニンの密接な関係
生理周期とセロトニンの変動
女性は男性と比べるとセロトニンの分泌量が少なく、さらに、生理前にはその分泌量が少なくなってしまいます。安定ホルモンという呼び名を持つ幸せホルモンのセロトニンはエストロゲンの分泌を比例しているところがあります。そのため、生理前になるとセロトニンの分泌量も減少してしまうので、どうしても精神面が不安定になりやすいです。
更年期とセロトニンの関係
近年、セロトニンの低下の原因に、女性ホルモンの分泌の減少が関係していることが判明し、更年期障害と関わりがあることが知られるようになりました。更年期の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していく渦中にあり、これがセロトニンの分泌にも影響を与えます。
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トリプトファンの効果と健康への影響
期待できる体感
トリプトファンには以下のような体感が期待できます:
精神の安定・抑うつ症状の緩和
トリプトファンはビタミンB6やマグネシウム・ナイアシンとともにセロトニンを作る材料となります。セロトニンには精神を安定させ、うつ病の改善にも効果があるとされています。
安眠をサポート
安眠を促すメラトニンという睡眠ホルモンは、セロトニンからマグネシウムのサポートにより作られます。トリプトファンをとることは快適な睡眠のためにも必要なのです。
やる気・集中力アップ
アミノ酸の一種、チロシンとともに、ドーパミンやアドレナリンといった神経伝達物質を作る材料になります。
アンチエイジング効果
トリプトファンからできるメラトニンにはカラダの中にできる活性酸素を除去してくれる抗酸化作用があり、アンチエイジングにも効果的と言われています。
月経前症候群(PMS)の緩和や更年期障害のサポート
月経前に見られるイライラや体調不良、エストロゲンの減少による更年期障害など、女性特有の症状の改善にも効果的だといわれています。
トリプトファンを効果的に摂取する方法
トリプトファンが豊富な食品
トリプトファンは基本的に体内で生成できないため、積極的に食べ物から摂取するようにしましょう。以下の食品に多く含まれています:
【トリプトファンが多い食べ物】
大豆製品(豆腐や納豆、味噌など)
乳製品(チーズや牛乳、ヨーグルトなど)
米などの穀類
卵
バナナ
特に大豆製品には、女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」が含まれているので、女性ホルモンが急激に減る更年期のゆらぎを整えるのにとても有効です。
理想的な食事の組み合わせ
日本人がよく朝に食べる、豆腐のお味噌汁にごはん、納豆、卵焼きというのは理想的な食事です。これらの食品にはトリプトファンが豊富に含まれており、梅雨時期の心の安定に役立ちます。
梅雨時期の自律神経を整える生活習慣
基本的な生活習慣の見直し
女性ホルモンと自律神経を整えるには、規則正しい生活習慣が基本です。特にバランスの良い食事と良質な睡眠は欠かせません。
睡眠をしっかりとる
梅雨の体調不良を防ぐためには、しっかりと睡眠をとり「心と体を休める」ことが大切です。夜更かしで睡眠のリズムが崩れたり、寝不足が続いたりすると自律神経の切り替えがうまくできず、本来副交感神経の働く時間帯に交感神経が働くことになり、自律神経が乱れやすくなってしまいます。
生活のリズムを整える
私たちの体には、1日の体温・ホルモン・睡眠などを整える「体内時計」が備わっています。生活リズムが乱れてしまうと体内時計も乱れてしまい、自律神経も乱れやすくなってしまいます。
適度な運動を行う
ウォーキングや散歩、負荷の軽めのスポーツなど、適度な運動は自律神経を整えることに役立ちます。また、適度な運動は良い気分転換にもなり、気分が塞いでいるときのストレス発散にもなります。
リラックス方法の実践
交感神経を鎮めて副交感神経を働かせるためには「リラックス」がとても大切です。映画鑑賞や音楽鑑賞、読書や趣味の時間を設けるなどして、リラックスできる時間を作りましょう。また、お風呂の時間も、シャワーだけで済ますより湯船に浸かるほうが、よりリラックスすることができます。
トリプトファン摂取時の注意点
適切な摂取量
トリプトファンの1日の必要量は、成人で体重1㎏あたり4㎎とされており、体重60㎏の場合240㎎/日と考えられます。過剰摂取には注意が必要で、1日当たり3~6gのトリプトファンを短期間に摂取した場合、無気力・吐き気・頭痛などの副作用が報告されています。
医薬品との相互作用
現在うつ病を患い服薬治療を行っている方は注意が必要です。トリプトファンを摂取することで、副作用が起きる可能性があります。現在抗うつ薬を処方されている方はかかりつけの医師に確認してからトリプトファンの摂取を開始しましょう。
妊娠中・授乳中の注意
妊娠中・授乳中はホルモンの影響もあり人それぞれからだの状態も異なるため、飲む際は必ずかかりつけ医に相談してからにしてください。
まとめ:梅雨を快適に過ごすために
梅雨時期の女性ホルモンの乱れと心の不調は、決して我慢すべきものではありません。トリプトファンを含む食品を意識的に摂取し、規則正しい生活習慣を心がけることで、この時期特有の不調を和らげることができます。
特に、セロトニンの材料となるトリプトファンを含む食品(バナナやナッツ類など)は、気分の安定に役立ちます。また、良質な睡眠によって、自律神経が整います。
だからこそ、自分の状態ときちんと向き合うよい機会にもできるはずです。梅雨時期の体調不良は一時的な場合が多いですが、生活環境やストレスなどが原因で梅雨が終わっても不調が続くことがあるため注意が必要です。体や心の体調不良が長期化している場合や日常生活に支障が出るほど重症な場合は、一人で抱え込まず早めに病院を受診しましょう。
梅雨の不調とうまく付き合いながら、トリプトファンの力を借りて心の安定を保ち、素敵な夏を迎えてください。