長い期間筋トレをしてきた人は、どれぐらい筋トレを休むと筋肉が減ってくるの?
長期間筋トレを行ってきた人の筋肉減少について、詳細に説明いたします。
筋肉減少のタイムライン
筋トレを長期間続けてきた人は、一般的に「アスリート」のカテゴリーに分類されます。このような人々の筋肉減少は、以下のようなタイムラインで進行します:
最初の1-2週間:
この期間では、顕著な筋肉量の減少は見られません。ただし、筋タンパク質合成の低下が数日で始まる可能性があります。
2-3週間経過:
この時点で、筋力や筋肉量に目に見える変化が現れ始めます。アスリートでも約3週間の不活動で筋肉の減少が始まることが研究で示されています。
3-4週間経過:
この期間になると、より顕著な筋肉の萎縮が観察されます。研究によると、1週間あたり約1-3%の筋肉量が失われる可能性があります。
4週間以上:
長期の不活動期間では、筋肉の減少がさらに加速します。筋タンパク質の分解が合成を上回り、萎縮が進行します。
筋肉減少に影響を与える要因
年齢:
年齢は筋肉減少の重要な要因です。50歳を過ぎると、自然な筋肉減少(サルコペニア)により、年間1-2%の骨格筋が失われます。したがって、高齢のアスリートは若い人よりも筋肉減少が早く進行する可能性があります。
以前のフィットネスレベル:
長期間筋トレを行ってきた人は、「筋肉メモリー」という利点があります。これは遺伝子レベルで筋肉の成長が「記憶」されるため、トレーニングを再開した際に以前のフィットネスレベルにより早く戻れる可能性があります。
不活動の程度:
完全な不動化(例:入院や怪我による安静)は、単に運動を休むよりも筋肉減少が早く進行します。例えば、健康な若者でも2週間の下肢の不動化で、筋力の約3分の1を失う可能性があります。
栄養状態:
適切なタンパク質摂取は筋肉維持に重要です。不活動期間中でも、十分なタンパク質を摂取することで筋肉減少を遅らせることができます。
筋力と筋肉量の関係
興味深いことに、筋力の低下は筋肉量の減少よりも早く、そして大きく現れる傾向があります。例えば
ベッドレスト5日目:筋肉萎縮に対する筋力低下の比率は4.2
ベッドレスト14日目:この比率は2.4に低下
ベッドレスト約35日目以降:比率は1.9で安定
これは、筋力低下の約79%が筋肉萎縮によって説明できますが、残りの21%は神経因子や筋線維の特性変化などによるものと考えられています。
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回復について
筋トレを長期間行ってきた人は、一般的に筋肉の回復も早いです。これは「筋肉メモリー」によるものです。しかし、完全に以前のレベルに戻るには時間がかかります。例えば、8週間の筋力トレーニングで得た筋肉の増加のうち、2週間の中断で約25%が失われたという研究結果があります。
筋力を完全に回復するには、不活動期間の3倍の時間がかかる可能性があります。
まとめ
したがって、長期間筋トレを行ってきた人でも、4週間以上のトレーニング中断は避けるべきです。やむを得ず長期間トレーニングを中断する場合は、可能な限り日常的な身体活動を維持し、適切な栄養摂取を心がけることが重要です。