よく「ダイエットを始めるなら今！」という特集を見ますが、季節で基礎代謝はどぐらい変わるの？
日本人の基礎代謝の季節変動については、以下のような情報があります。
基礎代謝の季節変動
日本人の基礎代謝には明確な季節変動が見られ、その変動幅は約20%程度であることが研究により示されています。この変動は主に気温の変化に起因しており、冬季に最も高く、夏季に最も低くなる傾向があります。
詳細な変動パターン
安静時エネルギー代謝（RMR）は、990～1200 kcalの範囲で推移し、以下のような季節パターンを示します。
冬季：最高値
春季：低下傾向
夏季：有意に低下し、年間最低値
秋季：上昇傾向
この変動は、体重（kg）当たりでも除脂肪量（LBM kg）当たりでも同様のパターンを示します。
変動の要因
気温の影響：
Oshibaの研究によると、気温が10℃低下すると基礎代謝量が約6%増加するとされています。
本研究では、冬と夏の気温差が約21℃であったため、理論上は約10%の変動が予想されましたが、実際の変動はそれ以上でした。
体温調節メカニズム：
人間は恒温動物であり、外気温に関わらず一定の体温を維持する必要があります。
冬季は体温維持のためにより多くのエネルギーを消費し、夏季は最小限のエネルギーで済むため、基礎代謝に差が生じます。
体組成の変化：
冬季には体脂肪率が高くなり、夏季には低くなる傾向があります。
これは、寒冷環境に適応するための体組成の季節順化を示唆しています。
現代生活の影響
近年の空調設備の発達により、極端な気温変化にさらされる時間が減少しているため、基礎代謝の季節変動幅が過去に比べて小さくなっている可能性があります。しかし、研究結果は依然として明確な季節変動を示しています。
結論
日本人の基礎代謝の季節変動は約20%程度であり、冬季に最高値、夏季に最低値を示します。この変動は主に気温の変化に起因していますが、体組成の変化や現代の生活様式も影響を与えている可能性があります。この季節変動を理解することは、効果的な栄養管理や運動計画を立てる上で重要な要素となります。