プロテインやBCAA、EAA製品で説明、広告しているタンパク質含有率が、裏面の栄養成分表記のタンパク質含有率と違うのは何故?
プロテインやEAA(必須アミノ酸)、BCAA(分岐鎖アミノ酸)製品のアミノ酸量と栄養成分表示のタンパク質量が一致しない理由は、製品の成分表示の方法と科学的な計算の違いにあります。以下にその理由を詳しく説明します。
1. タンパク質の定義と計算方法
タンパク質量は、通常「窒素量からの計算」と「アミノ酸の合計量」の2つの方法で計算されます。
(日本においては、窒素量を測定することでタンパク質量とする決まりがあります)
窒素量からの計算:タンパク質は窒素を含む化合物であるため、食品分析では窒素量を測定し、それに一定の係数(一般的には6.25)をかけてタンパク質量を算出します。この方法は全体の窒素量を反映するため、タンパク質以外の窒素化合物(アミノ酸、ペプチド、ノンプロテイン窒素化合物など)も含まれます。
→食品の裏面に表示が義務付けられている5大栄養成分表記のタンパク質はこの方法で測定されています。
アミノ酸の合計量:アミノ酸の量を個別に測定し、それを合計する方法です。この方法は実際のアミノ酸含有量を反映しますが、全てのアミノ酸が等しく測定されるわけではなく、分析条件や手法によって差異が生じることがあります。
→含有率などの規格値が定められているアミノ酸(例えばバリン99%以上を含む等)の合計です。広告や説明ではこちらが主に用いられます。
2. 製品表示の基準と規制
各社は製品の表示基準に従い、栄養成分表示を行います。多くの国では、タンパク質量の表示に窒素量からの計算方法を用いることが求められています。一方、アミノ酸サプリメント(EAAやBCAA)の場合、特定のアミノ酸の量を強調して表示することがあります。
3. 添加物や混合物の影響
プロテインやアミノ酸サプリメントには、純粋なタンパク質やアミノ酸以外にも様々な添加物や混合物が含まれていることがあります。これにより、栄養成分表示上のタンパク質量と実際のアミノ酸量に差が生じることがあります。例えば、プロテイン製品には風味や食感を良くするために炭水化物や脂質が添加されていることがあります。ただし、多くても数%程度しか添加されないことがほとんどです。
4. ラベル表示の許容誤差
法的な基準によっては、ラベル表示には一定の許容誤差が認められていることがあります。これにより、実際の分析値と表示値に若干の差が生じることがあります。
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まとめ
プロテインやアミノ酸サプリメントのアミノ酸量と栄養成分表示のタンパク質含有率が一致しないのは、計算方法の違い、表示基準、添加物の影響、および表示の許容誤差などが主な原因です。各社が異なる基準や方法を用いて表示を行うため、消費者は製品の詳細な成分表示を確認し、自身のニーズに合った製品を選ぶことが重要です。
具体例
規格値上、99%以上の必須アミノ酸を含む製品があった場合、そのアミノ酸組成によって窒素含有率が異なるため、70%台のタンパク質量として記載しなければならない場合が多々あります。
WPIのような精製されたタンパク質でも、96%配合などと謳っている製品で5大栄養成分表記上のタンパク質含有率が80%台であることも多く見られます。
上記ように、実際のタンパク質やアミノ酸含有率と法律上のタンパク質含有率表示は、異なることがほとんどです。