最近よく聞くWPCとWPI、同じプロテインなのに何が違うの?
ホエイプロテインには主に2つの種類があり、これらはWPC(Whey Protein Concentrate)とWPI(Whey Protein Isolate)です。それぞれの特徴や違いについて詳しく説明します。
WPC(Whey Protein Concentrate)
特徴:
たんぱく質含有量
WPCは一般的にたんぱく質の含有量が70~80%程度です。
乳糖と脂質:
WPCには乳糖や脂質が比較的多く含まれています。そのため、日本人に多い乳糖不耐症の人には不向きな場合があります。
コスト:
WPCは製造コストが比較的低く、そのため価格も手頃です。とはいえ、最近の円安や人件費、材料費の高騰でWPCも値上げの波が来ています。
栄養価:
WPCには、たんぱく質以外の栄養素も含まれているため、総合的な栄養補給に適しています。
体質に合う人
乳糖に対して敏感でない人:
乳糖を消化できる人にはWPCが適しています。
コストを重視する人:
高品質なたんぱく質を安価に摂取したい人に向いています。
筋肉増強や運動後のリカバリーを期待する方:
全体的な栄養補給を重視する人に適しています。
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WPC チョコレート風味 1kg
通常価格 ¥3,390通常価格単価 あたり
WPI(Whey Protein Isolate)
特徴
たんぱく質含有量:
WPIはたんぱく質の含有量が90%以上で、より高純度です。
乳糖と脂質:
WPIには乳糖や脂質が非常に少ないため、乳糖不耐症の人にも適しています。また、その分炭水化物も少ないことからローカーボダイエットの方の代替食品としても適しています。
コスト:
WPIは製造過程が複雑であり、そのためコストがどうしても高くなります。
吸収速度:
WPIは消化吸収が非常に速く、運動後の素早いたんぱく質補給に適しています。
体質に合う人
乳糖不耐症の人:
日本人に多い乳糖に敏感な人や乳糖不耐症の人にはWPIが適しています。
低脂肪・低糖質を重視する人:
脂質や糖質を制限している、フィジークなどを目標にしている方に向いています。
速やかなたんぱく質補給を求める人:
トレーニング後に速やかにたんぱく質を補給したい人に適しています。
まとめ:
WPCは、乳糖や脂質を含みますが、コストパフォーマンスが良く、総合的な栄養補給に適しています。乳糖に対して敏感でない人や、手頃な価格でたんぱく質を摂取したい人に向いています。
WPIは、たんぱく質含有量が高く、乳糖や脂質が少ないため、乳糖不耐症の人や、速やかなたんぱく質補給を求める人に適しています。ただし、価格は高めです。
自分の体質や目的に応じて、WPCとWPIのどちらが最適かを選ぶことが大切です。
また、性別による大きな違いはありませんが、個々の目標や体質に応じて選ぶことも重要です。男性はバルクアップを目指す場合、WPCがコストパフォーマンスも含めてお勧めです。女性は体重管理や美容を重視する場合、低脂肪・低糖質のWPIが適しています。自分のニーズに最も適したプロテインを選び、効果的に活用しましょう。
参考:WPIが高価になる理由
Whey Protein Isolate(WPI)の製造には、高度な処理技術が用いられます。以下は、WPI製造時に使用される主な処理方法とそれに関連する専門用語の説明です。
1. マイクロフィルトレーション(Microfiltration, MF)
プロセス:
マイクロフィルトレーションは、物理的なろ過方法であり、微細なセラミックフィルターを用いて液体から脂質や乳糖を除去します。この方法では、たんぱく質の大部分が損なわれずに高純度のホエイたんぱく質が得られます。
メリット:
脂質や乳糖の含有量が低く、純度の高いホエイたんぱく質を得ることができます。
2. ウルトラフィルトレーション(Ultrafiltration, UF)
プロセス:
ウルトラフィルトレーションは、マイクロフィルトレーションよりもさらに小さな孔径のフィルターを使用して、分子量の異なる成分を分離します。この技術により、たんぱく質を選択的に濃縮し、不要な成分を除去します。
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通常価格 ¥3,218通常価格単価 あたり
メリット:
たんぱく質の濃度を高めることができ、さらに乳糖や脂質を低減できます。
3. イオン交換法(Ion Exchange, IE)
プロセス:
イオン交換法は、たんぱく質の分離において化学的な手法を使用します。この方法では、たんぱく質の電荷を利用して、特定のイオン交換樹脂に結合させることで、たんぱく質を分離します。
pHやイオン強度の変化を利用して、望ましいたんぱく質成分を抽出します。
メリット:
非常に高純度のホエイたんぱく質を得ることができ、アミノ酸プロファイルの調整も可能です。
4. クロスフローマイクロフィルトレーション(Cross-Flow Microfiltration, CFM)
プロセス:
クロスフローマイクロフィルトレーションは、通常のマイクロフィルトレーションと異なり、液体をフィルターの表面に対して並行に流すことで、フィルターの目詰まりを防ぎながら成分を分離します。
メリット:
たんぱく質の品質を保持しながら、乳糖や脂質を効果的に除去できます。さらに、栄養素の損失が少ないです。
5. ナノフィルトレーション(Nanofiltration, NF)
プロセス:
ナノフィルトレーションは、ウルトラフィルトレーションよりもさらに小さな孔径のフィルターを使用して、特定の分子サイズの成分を分離します。この方法は、非常に高純度のたんぱく質分離が可能です。
メリット:
最も微細な分子まで除去できるため、純度の非常に高いたんぱく質を得ることができます。
まとめ
WPI(Whey Protein Isolate)の製造は、以下の高度な処理技術を使用して行われます:
マイクロフィルトレーション(Microfiltration, MF)
ウルトラフィルトレーション(Ultrafiltration, UF)
イオン交換法(Ion Exchange, IE)
クロスフローマイクロフィルトレーション(Cross-Flow Microfiltration, CFM)
ナノフィルトレーション(Nanofiltration, NF)
これらの技術により、高純度のたんぱく質が得られ、乳糖や脂質の含有量が低減されます。選択する技術によって得られるホエイプロテインの特性や純度が異なるため、製品の特性や用途に応じて最適な製造方法が選ばれます。